リモート(サーバーが設置してあるのとは別の地点)にいるテレコミュニケーター(電話応対を行う在宅勤務者)の一人だけ音質に問題があり、他のリモート ユーザーの音質は良好、といった状況であれば、この項目は役立つかもしれません。ここではリモートでケーブルモデム(CATVの回線を使ってインターネッ トに接続するための装置)を利用するユーザーを例に取り上げたいと思います。
設定
A) とある営業所に、trixbox Proを利用する在宅勤務者のため専用のインターネットT1が実装されている。
B) 在宅勤務者は一人を除いて他の全員が一貫して良好な音声品質を維持している。
C) 音声品質が一貫して悪い在宅勤務者は、ケーブルモデム(ケーブルテレビの会社が提供するインターネットモデム)を利用している。
可能性として考えられる原因を以下に挙げますので、掲載順に一つずつ確認して、問題の切り分けを行うようにしてください。
1) ネットワーク接続が他で利用されている
(電話の利用中に、Eメールの送受信やWebサイトの閲覧、その他のプログラムなどがネットワークの帯域を圧迫している)。QoS対応のルーターを利用することで解決する可能性があります。
2) 「アップロード」帯域が十分でない
最低でも常時100Kbit/s程度の帯域は確保しておく必要がありまする
3) ルーターに問題がある
FAQの「DMZの設定」「QoSの利用」などの項目を参照に、ルーターの設定を調整します。
4) ケーブルモデムに問題がある
レ ンタルのモデムを使うのではなく、高品質のケーブルモデムを購入し直したほうが良いかもしれません。CATVのサービスプロバイダが提供するレンタルモデ ムは、他のサービス(Eメール、Web、HUD、その他)と一緒に利用するとVoIPパフォーマンスを著しく低下させるパケットバッファを大きく設定して いることがあります。バッファが大きいことは、Webの閲覧やEメールには良いものの、SIPのようなインタラクティブ・プロトコルにとっては最悪です。 これは上記の(1)とも関係しています。
5) ISP(インターネットサービスプロバイダ)に問題がある
ご利用のインターネッ ト・プロバイダーのサービス品質に問題があることがあります。提供される実際のアップロード速度がSIPに不十分なため、ケーブルモデム・サービスの場 合、五割の確率で問題が生じます。上記の(2)もご覧ください。この問題を解消するにはISPを変えるしかありません。在宅勤務者の場合、CATVよりも DSLのほうが良好な音声品質を得られるようです。
開発元のFonalityではこの手の問題に関する問い合わせをこれまで多数、扱ってきましたが、ほとんどの場合、DSLサービスを提供するISPを変更すると問題は解決されました。あるいは、推奨のケーブルモデムやルーターに変更してうまくいったケースもあります。
イ ンターネット回線(および機器類)が、すべてSIP(VoIPの利用)に最適化されているわけではない、ということを覚えておくのは良いことです。場合に よっては、既存のインターネット接続を従来通りパソコンのデータ回線用に使い続け、同時にIP電話のために新たにインターネット回線を引き直す、という事 例もあります。
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