この電話機はWeb管理画面を持っていません。代わりにFTPで設定ファイルをアップロードする形を採用しています。
コマンドラインで簡単に設定ファイルをアップロードできるので便利です。
以下の手順で設定出来ます。
trixboxPro側の設定
trixboxProでは通常ハードフォンを登録するときは12桁のMACアドレスを使用しますが、この電話機の場合は任意の12桁の数字(英字は使用不可)をMACアドレスの代わりに登録します。
trixboxで電話機を作成する際、ベンダーの項目に「その他」を選択すると、MACアドレスの項目に任意の12桁の数字を入力する事が可能になります。
電話機側の設定
1:左上のメニューキーを押して、続いてダイヤルキーの##*を押して保守モードに入ります。
2:この電話機はデフォルトで固定IPモードになっています。それで、DHCPによる自動IP取得を有効にしたい場合は「01ネットワーク情報」-->設定/決定キーを押す-->「01DHCPクライアント」-->設定/決定キーを押すーー>有効とします。固定IPを割り当てる場合は、同じ階層のIPアドレスを適宜設定してください。
3:電話機にftpで接続します。コマンドラインから ftp <IPアドレス>を実行します。
4:ユーザーIDはsystem_mgr、パスワードはsystem_mgrでログインします。
5:コマンドラインからget system.txtを実行し、設定ファイルをダウンロードします。
6:設定ファイルを編集します。以下の部分が電話機をレジストするために必要な項目です。
<registrarserver>1</registrarserver> <- SIPサーバにレジストする。"1"を設定 <sip_pwd1>pass</sip_pwd1> <- trixboxが生成したSIPパスワード <sntp_adr>133.100.9.2</sntp_adr> <- NTPサーバアドレス(時刻合わせに必要) <extension>111111111111</extension> <- trixboxに設定した任意の12桁の数字 <ipadr>192.168.0.11</ipadr> <- この電話機のIPアドレス(固定IP利用時) <gwadr>192.168.0.1</gwadr> <- この電話機のデフォルトゲートウェイ(固定IP利用時) <subnetmask>255.255.255.0</subnetmask> <- この電話機のサブネットマスク(固定IP利用時) <dns_1>192.168.0.1</dns_1> <- この電話機のDNSサーバ(固定IP利用時) <ca_ipadr>192.168.0.152</ca_ipadr> <- trixboxのIPアドレス(ドメイン名は使用しない)
7:編集が終了したら、コマンドラインからput system.txtを実行し、ファイルをアップロードします。
8:最後にコマンドラインでbyeを実行します。FTP接続が解除され、電話機は自動的に再起動します。
以上で設定完了です。
備考
この電話機は、<extension>@(trixboxのIPアドレス)の様に<extension>を使用し、trixboxに認証しようとします。
もし<extension>に何も入力が無ければ、IP-Phone@(trixboxのIPアドレス)で認証しようとします。
IP-Phoneというのは電話機の固定設定で変更不可との事。
ナカヨ社製のサーバを使用する際は<extension>で接続した後、<sip_id1>を使用し、認証するらしいのですが、trixboxではそのような動きはしませんので、<extension>@(trixboxのIPアドレス)で認証します。ですので <sip_id1>の項目に入力は不要です。